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乳首を舐っていた二階堂の舌は、臍をつっつき、下の茂みを掻きわけ、小ぶりな屹立にまで達する。
「や、それぇ、ダメだってばァ!」
浮きあがった筋に沿って、濡れた舌が這いまわっていく。そこを刺激されるのは辛かった。逃れようと後ずさるが、屹立を両手で握られてしまう。
「ちっとも、ダメじゃないよ?」
「んうッ!!」
大きく開いた口に含まれ、ルカは声にならない悲鳴をあげた。
レーヴに来る客はそれぞれ、好みも性癖も異なる。Ωを女の代わりとしか思っていない客もいれば、男のΩに執着する人もいる。
二階堂は初めて会った時から、ルカへの口淫をためらわなかった。どころか、抱き合う度にそこを愛される。この行為が、誰でもすることではないとルカが知ったのは、他の客と寝るようになってからだ。
いつも、こんなセックスしてたっけ?
今日だけ、特別にねちっこい?
それとも、発情しているルカは箍が外れすぎているだけ?
「……んむっ、んうぅ、ぐっ」
分身が二階堂の口の中にある。それも、アイスキャンデーのように舐められていると思うだけで、恥ずかしくて死にそうだった。逃げだしたくなる下半身をつかまれる。濡れた粘膜で擦られるのが、気持ちよくて死にそうだった。
腰の奥が疼く。手に負えない劣情に突き動かされ、尻を浮かせて揺すっていた。熱い口の中、さらに深くまで飲みこまれて、焦りを覚える。これでは、二階堂が窒息してしまう。
「ご、ごめん、なさいっ!」
息も絶え絶えに責められ続けて、意識が朦朧としていた。わけがわからないまま、必死に背中にあるシーツを握りしめる。
「ま、待って、二階堂さん!」
ルカの声を聞いて、二階堂はようやく顔をあげた。
「待てるわけないでしょ。ルカも、アタシも」
「そ、そうじゃなくって、あ、ちが、」
互いの昂りが擦れあう感触に陶然としながら、ルカはなんとか切り出した。
「あの、お願いがあるんですが」
「なんだい、改まって」
「僕、二階堂さんの、……が欲しい」
「可愛いこと言うと、そのまま貪り喰っちまいたくなるよ?」
「ちが、そうじゃなくて、その、」
「なんだ?」
ルカは耳まで赤くしながら、脚の付け根に当たる二階堂のものを握りしめた。
「これ、そのまま、欲しい。二階堂さんの赤ちゃん、欲しいんだ」
「ルカ……」
「ダメかな」
「妊娠できるのは、発情期だけだろ」
「あ、そうだった」
当たり前の事実が、頭から抜けていることに自分で驚く。二階堂と抱き合っていると、それだけでいっぱいいっぱいで、頭がはたらかない。まともにものを考えられない。
決まり悪くなって視線をそらすが、二階堂の頭が鎖骨にのる。動けない。
「なあ。もし、子どもができたら、今度こそ、ルカの親御さんところに頭下げにいくよ」
「いいですよ、そんなの」
「よくない。子どもの籍の問題もあるだろう。それも含めて、殴られに行くよ」
「二階堂さん……」
「でも、今日はルカの言葉に甘えることにする。今夜はそのまま、させてくれ」
耳もとに温かな息を吹きこまれて、思わず首をすくめる。
「ここに、アタシのが欲しいんだ?」
熱を帯びた手のひらで、下腹部を撫でられる。上から触れられただけで、腹の奥がキュンと痺れる。いきり立ったものが、左右に揺れる。
「ん……ほしぃ。中に、ください」
いまは孕むことがなくても、いつかは宿ればいい。二階堂とルカの遺伝子が混ざり合う。ルカが捧げることができる、最大限の誠意。
「今日はローション用意してるけど、痛かったら、ちゃんと言うんだよ」
「平気、だから」
「ダメ。ルカを傷つけたくない」
二階堂の手のひらに、溢れんばかりのローションが垂らされる。無色透明の粘液を指先ですくって、ルカの閉じられた蕾に垂らされる。
「ンンッ!」
「我慢しないで。ここ、やわらかくするには時間かかるから」
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