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後孔の入り口から中へ、奥へと、体温で暖まったローションをたっぷり塗りこめられる。
恥ずかしいけれど、嬉しい。便利に突っこめるΩの孔ではなく、一人の人間として大事にされていると思う。
滑りのよくなった後孔はなんの抵抗もなく、太い指を銜えこんで、もっともっとと刺激を催促する。二本目の指が入ってくるのを感じて、ルカの尻が弓なりに浮きあがる。
「中、弄られるのがイイの?」
「い、いい、そこ、グリグリされると、はあっん!」
二階堂の指で抜き差しされている隘路が熱い。抜けては挿れられ、指を増やされて、無茶苦茶に掻きまわされる。指を捻りながら、押し広げられていく肉筒がたまらない。
「痛くない?」
「だいじょぶ、だから、」
いますぐに入ってきて欲しくて、ルカは腰をくねらせて二階堂をせがんだ。
二階堂を欲しい気持ちが止まらない。
後孔がヒクヒクと震える。待ち望んでいるものをお預けされて、切なく啼いている。
この貪欲な器官を、硬いオスで早く貫いて欲しい。子宮には届かなくても、思いの丈すべてを、精をぶちまけて欲しい。
「あ、あ、あぅ……もう、だいじょうぶ、だから、もっ、ねえ!」
「もっと、やさしくしようと思ったのに。ルカは、初めてみたいなもんだから」
「いい。へーきだから、もう。それよりっ……入れて」
舌を伸ばして、ゆっくりと唇のまわりを舐めあげる。上目遣いに視線を向ければ、大きく目を見開いた二階堂が迫っていた。
はしたないことをしてしまった。でも、もう待てない。発情期ではないけれど、二階堂を欲しい気持ちが止まらない。
「ルカ、愛してる」
硬い切っ先が入ってくる。ローションで十分濡らされていても、Ωの愛液のように、あとからあとから溢れてくるものではない。両足を大きく開かれ、ぐぐっと腰を突き入れられる。圧迫感がすごい。骨が軋む。力を抜かなければと思うのに、緊張がとけない。息ができない。
発情期ではないΩは、βの男性と変わらない。後孔は自ら潤うことはなく、手をかけなければ、自然とやわらかくなることもない。
まだ硬さを残したルカの蕾が、二階堂のもので限界まで広げられる。
「苦しそうだね」
二階堂の手がすっかり縮こまって、うなだれたルカの陰茎に触れる。他人の手の感触に煽られて、そこはヒクヒクと脈を打つが、まだ起きあがるほどではない。
「かわいそうに。こんな痛い思い、させたくないのに」
「へーき、だって、あッ」
打ちこまれた肉杭はそのままに、半勃ちのものを扱かれる。根本から先端まで手筒で擦りあげられ、ルカは喉を鳴らして息を飲む。
もう一方の手が、そのつけ根にあるやわらかな膨らみを刺激する。敏感になっているところを捏ねられ、熱くなった下肢が蕩けていく。
ルカの体から緊張感が消えたのを見て、二階堂はさらに奥へと突き入れた。
「はう、あッ、アアアア!」
中から引き裂かれそうだった。
普段、レーヴでどうやって受け止めていたのか思い出せない。体の欲求のままに、次々と貪っていたのが信じられない。
素面で受け止める二階堂は、こんなにも硬く、大きく、ルカの内側を埋めつくしている。
「すごい……いつもと違うけど、こっちも、すごくイイ」
前髪をかきあげられ、額に唇を押し当てられる。少し屈んだだけで角度が変わり、中にいる二階堂が身じろぐ。
「な、なかが、グリグリって、ああッ」
「ここ? いっぱいに膨れてる。アタシの、で」
脚を持ちあげられ、平らな下腹部のぽっこりと盛りあがった場所を、湿った手のひらで撫でられる。
「あ、やぁ、さわっちゃダメ、はぅ!」
中から突かれ、外からさわさわと触れられる。肉の愉悦がたまらない。狂ったように頭を振りながら、尻を揺らして受け入れる。
「これがいいんだ。すごく、いい顔してる」
「や、やあぁ、アア、ン……」
「嫌じゃないでしょ。自分から押しつけてグリグリってして。ここ、気持ちいいね。いい子だ」
感じすぎてつらい。目には涙がにじんでくる。それでも、やめたくない。
もっともっと、二階堂を感じていたくて、ルカは汗ばんだ背中に手をまわし、腰のうしろに脚を絡めてひきよせた。
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