ルカの願望(β×Ω)

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 噛んでいた人差し指をつかまれ、そのまま二階堂の口に含まれる。  舌を絡めて出したり入れたりするさまは、先ほどまで受けていた口淫を思い起こさせ、ルカはそっと奥歯を噛みしめた。  ひとしきり指を舐めていた二階堂は、ようやく口を話し、目を細めて笑いかけてきた。 「ルカだって、エッチなこと好きでしょ」 「ち、ちがっ」 「違わない。変態にいじめられて感じてるほうも、十分変態じゃないの?」 「や、そうじゃないって」 「どうして? こんなに悦んでるよ、ここ」  少し前に吐精したばかりのルカのものは、もう熱を帯びて起きあがっていて、節くれだった男の指であやされる。いい子いい子と褒めるような指の動きに煽られ、どんどん角度を広げていく。  よせてはかえす波のように、内側をゆっくりと(くじ)られる。きついけど、きつくない。たっぷりのローションにまみれて、擦られ続けたそこが、じんわりと痺れている。お腹の中が熱くなる。 「だって、ちが、それは、二階堂さん、だから、だからァ……」  誰とでも同じなんじゃない。  こんなに感じて、わけわからなくなるほど求めてしまうのは、この人だから。誰にでも同じように感じてるなんて、そんな風に思わないで欲しい。  Ωだからって、誰にでも同じ反応をするわけじゃない。 「そうだね。ルカは発情期じゃないのに、こんなになってるしね」 「それ、ぜんぶ、二階堂さんと、だからぁ」  必死の思いで告げると、二階堂は唸るように低く呻いた。ルカの腿をつかむ手が震えている。 「……ぅ、くッ」  ぐっと迫り出した欲望が、自ら小刻みに揺れて、ルカの中で爆ぜるの感じた。  熱い精が、独特のリズムで、肉襞へと吐き出されていく。  二階堂の放ったもので満たされるようで、ルカは恍惚として目を閉じ、全身を震わせた。  これが欲しかった。  二階堂の精子が宿ったものが。  いまは実らなくても、いつか、孕むことができれば。  ルカは小さく息を吐いた。 「ごめん。ルカが煽るから、も、失敗した」  不意に達した後、ルカの上に突っ伏していた二階堂が、汗ばんだ前髪を掻きあげて下を向く。 「……失敗じゃ、ない」 「いや、アタシのほうが、さ」 「いいんだよ。だって、ナカ、いっぱいくれた、から。あ、……いやああア」  自分で言った言葉が恥ずかしくて、耳まで熱くなる。  これじゃ、ルカも十分変態だ。いくらなんでも、貪欲すぎて引かれてしまう。  頭を抱えてシーツの上でのたうっていると、背中から覆いかぶさるように抱きしめられた。 「もう。どこまで、おじさんを煽るんだよ、ルカは」 「え、あ、あれ?」  勘違いかと思ったが間違いない。この感触は、ルカの双丘の谷間に当たる硬いものは。 「あの、二階堂さん? その、もしかして、それは」 「うん、久しぶりだな。いつ以来だろ。年甲斐もなく、燃えてしょうがないんだけど」 「ええっと、あの、その、」 「もう一度、入れてもいい?」 「……はい」 「ありがとう」  ぎゅっと音がしそうなほど、二階堂にきつく抱きしめられる。  大好きな人の匂いを胸いっぱいに吸いこんで、顔を埋める。  幸せすぎて、目眩がしそうだった。  αとか、βとか、Ωとか。関係ない。この人だから欲しい。
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