イヴは主張する(α×Ω)

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 有馬の肉茎を包みこむ襞の圧が凄い。押し潰されそうだった。一滴残らず絞りあげるように締めつけられ、喉の奥で呻く。 「あ、りま、さん……」  イヴの蕩けた表情に女のそれを見て、ドキッとする。  臍につくほど反り返った屹立はそのままに、中への刺激だけで達していたのだとわかる。 「すごい、よかったです。ここ、気持ちいい……」  気だるさを漂わせた視線を感じると同時に、まだ繋がっている肉筒を揺さぶられ、喉を鳴らして生唾を飲みこむ。 「そ、んな、されたら、また、」 「いいですよ。もっと、もっと欲しい。ここ、いっぱいに、有馬さんのが、欲しくて」 「ぅ、ん!」  組み敷いたはずの体がゆるく蠢く。  中が、熱い。淫蕩な動きに操られるようにして、萎んでいたはずの陰茎はムクムクと頭をもたげていく。 「ダメだって」 「あうぅ」  有馬が慌てて引き抜くと、イヴは恨めしそうな視線を向けてくる。  欲しい気持ちは同じだった。手早くゴムを始末して、新しいものを用意する。無事に仕切り直しを終えると、有馬を求めて疼いている蕾へ一気に突き立てた。 「はあっ」  イヴの唇からこぼれる、湿った吐息が艶めかしい。自分から腰を動かして、いいところへ当てようと必死になる姿は、有馬を使って自分自身を犯しているように見える。 「やらしいな」  火照った頬に手を添え、キスの手前で告げると、イヴはさらに腰を大きく揺すりながら言った。 「……欲しくて、欲しくて、サカってるΩは、お嫌いですか?」  腿の筋肉を使って、内側からキュンキュン締められる。 「これがいいの?」  両手で尻を持ち上げ、隘路の奥に続く子宮まで貫くように突き上げる。 「いい、いいっ。すごっ。奥まで、届いてる……」  最奥を串刺しにされて、歓喜を叫ぶ姿に、言葉にならない尊さを覚える。  セックスは滑稽なんかじゃない。  生き物としての人間に、必要な行為だ。 「ああっ!」  感極まって啼くイヴは、本当に美しくて。  有馬は至近距離から見とれてしまう。  男なのに女よりも色っぽくて、感じやすく、快楽に弱い。 「Ωって、すごい、ね」 「え、あ、アアンぅ……」  イヴはもう聞こえていないようだった。短い髪を振り乱し、全身を震わせている。  交尾相手を引きよせるΩのフェロモン、αの精を欲しがる本能。それがなんだというのか。  全力で求められる。  これほど、愛おしい存在はない。 「いい、イイ……気持ちいぃ。それ、いい」  うわごとのように言われ、有馬はますます奮いたつ。  力任せに肉襞を抉る。穴が開くほど突き続ける。  イヴの中から蜜液が沁みだし、有馬の腹に当たる陰茎は先走りの雫で濡れそぼっていた。 「僕も、すごいイイ。中、グチャグチャって音がして、あとからあとから、溢れてくる、ほら」  粘液を指の腹ですくって、イヴの乳首に塗りつける。何度も往復させて、左右の突起を濡らす。  イヴは大きく足を開いて有馬の腰を挟み、ぐいぐいと引き寄せてくる。ぷっくりと勃ちあがった乳首が濡れ光っている。 「めちゃくちゃ、興奮する」  有馬は手を伸ばして、両方の乳首を摘みあげた。 「ううっ!」  芯があらわになるように摘み、コリコリと育てていく。 「やあっ、それ、ダメ……い、ああッ」  そこを引っ張ると、イヴは必死に胸をそらして、少しでも痛みをやわらげようとする。だから、有馬はわざと強くねじりあげる。 「ひゃあ、ああッ!」  体の内側から肉を震わせて、イヴが喘ぐ。あまりの締めつけに持っていかれそうになる。 「すごいね。こうやって痛いことされると感じるんだ」 「や、やぁ、アアッ」 「嫌じゃないでしょ、コレ」  クニクニと捏ねるように弄れば、さらにイヴの息が上がっていく。いま、彼を悶えるほど感じさせているのは自分だと思うと、大きな力を得たような満足を覚える。 「かわいい」  有馬がそう言うと、わずかに悔しそうな表情が浮かんで消えた。  そんなに引け目を感じることはないのに。そう思う一方、マウンティングで屈服させることに悦びを感じる。  性は複雑だ。  αもΩも、きれいごとでは割り切れない。 「イヴの中、すごい、よすぎて……ずっと、こうしてたくなる」  口で言うほど、余裕はない。こんなに内も外も密着していれば、二度目でもすぐに達してしまいそうになるから。  頭のてっぺんからつま先まで快楽に染まるって、きっとこういうことだと思う。  肉の営みに、ひたすら馬鹿みたいに没頭する。  間違っているとは思わない。ただ、よくて。気持ちいいことだけを求めて、イヴの奥に入りこむ。発情期の間だけ降りてくるという、最奥の蜜壺目がけてがむしゃらに突きあげる。 「あ、あ、ああぅ……んぅ」  鼻にかかった声で、白い喉をさらして喘いでいる。すべてをさらして、有馬に委ねている。  イヴが欲しい。  独占欲、所有欲、支配欲、その他諸々の感情が湧き上がって、ひときわ強く押し入った。 「い、イくぅ、あッ、アアアッ……!」  裂けるほど激しく貫くと、イヴが身を震わせて感じ入っていた。二度目も中だけでイったらしい。  波打つ肌の熱が心地いい。強く抱きつかれると、この瞬間、誰よりも愛されているんだという気持ちで満たされる。  うねるように絡む肉襞の動きを噛みしめつつ、有馬もまた放っていた。
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