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転校生
「席に着け、転校生を紹介する。」
先生に連れられてやって来たその男はとても綺麗な顔立ちをしていた。美少年…いや、青年かな。
そう言った顔立ちのこの男はニコリと笑うだけで映え、クラスメイト達をさわがせた
この男みたいな顔なら…俺も少しは違ったのだろうか。普通に暮らして、普通に愛されて…なんて顔に似合わない妄想をしてしまう。
「俺は高谷…高谷玄白よろしく。」
何故だろうか。その目は一瞬こちらを捉えた気がするがすぐに目を逸らされた。気の所為だろうか…
それに珍しい。俺と同じ名字の奴なんて。
そう思った時ガタリと机に足が当たってしまい注目を集めてしまった。
明らかにクラスメイト達に警戒されているこの状況にも、この顔で10年と少しやってれば慣れてくる。
慣れはあれど気分が悪いものは悪い。
またかよ…やってらんねー。
そう思った雅紀は無言で教室を後にした。
そして…それを見ながら不敵に笑う男が1人…呟いた
「見つけた…アイツが…」
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