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「やぁ、しばらく来なかっ…………て、何だそれ。」
数日後。
私はバーに来た。
久々だったが、たかが1週間弱。
古臭い内装も、気に食わないバーテンダーも何1つ変わっていない。
「……君が誰かから花束を受け取る日が来るなんてね。それも、赤い花を。」
彼は私と、花束を交互に見やる。
意外な組み合わせと、思うかもしれない。
けれど、何か誤解しているようだ。
「貰ったんじゃないわ。私が買ったの。」
「おぉ、そりゃ尚更珍しい。誰かへの送りぶっ!!!!」
顔に花束を押し付けてやる。
無理やり持たせ、私はいつものカウンター席に座った。
「あんたによ。さっさと受け取りなさい。」
「熱烈な渡し方をするな。おかげで窒息するところだった。」
改めて、花束をしげしげと観察している様子だ。
「赤いチューリップか。成る程。」
そう言うと、頼んでもいないのにカクテルを作り出した。
私は背を向けたまま、返事を待ってやる。
「お待たせ。」
グラスが置かれた音がした。
振り向くとそこには、いつも飲んでいたカクテルがあった。
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