私の中身は火が通っている

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頭から冷たい水を被った時のように、寒くて惨めな思いだ。 こんな事なら、熱くならなければよかった。 「…残念ね。」 「俺は嬉しかった。」 「ブルームーン渡しといて、にやにや笑いながら慰めないで。」 今すぐにでも、立ち去りたかった。 まさか飲み干してから帰れと言うのか。 こんな気持ち、受け取りたくないのに。 「ん?待ってくれ。君また何か誤解してるのか。」 彼は首を傾げている。 白々しいとしか、思えない。 「何がよ。自分の飲むカクテルの意味くらいわかるわ。あんたこそ、私の渡した花の意味わかって、寄越したんでしょ。」 「勿論だ。だから、オッケーしたんだ。俺も愛しているから。」 彼の言葉に、私は 「……はぁ!?」 掴みかかってしまった。
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