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タオルを冷やして、修司が叩いた頬に、叩いた修司が当ててくる。
「痛い、よな」
謝らないのは、まだ疑ってるから。
シャワーで流したら、額の端と頬は少し腫れてきて、股はお湯がしみた。
疲れてしまって、ベッドに転がったら隠すのも忘れて、濡れた髪もそのまま。
「なんか言えよ」
なんて言ったら信じてくれるんだろう。仕事してただけなのに。
仕事辞めたら良いの?どうやって生きてくの?ってか、何が信じられないの?
誰が見たの?そう
「誰が見たの?」
修司を真っ直ぐに見ると、修司の手がタオル毎離れた。
「高橋」
「誰それ」
覚えがない。誰?
「付き合いはじめの頃飲んでる」
「そんな前、覚えてない」
そんな人知らない。
「私が知らない人が何で私を見分けられるの?」
今度は修司が黙る。
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