4

3/4
41人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
「高橋さんって、男?女?」 「そっからかよ」  修司の動揺が見える。 「女?」 「男」  全く記憶にない。  修司の普段遊んでる仲間の中にも出ない名前だ。 「中学ん時の」そこまで聞いて、私達以外に五人くらい居た飲み会があったのを思い出す。でも、誰一人顔が思い出せない。  次第に修司の顔が曇り出す。 「私さ、あの頃」 「髪長かったよな」私の言葉を途中から修司が継いだ。  その通り。背中まであった髪はこの春、肩先までになっている。  髪を切ってからは、仕事関係以外会ってない。私の友達にも、だ。 「ごめん」
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!