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「高橋さんって、男?女?」
「そっからかよ」
修司の動揺が見える。
「女?」
「男」
全く記憶にない。
修司の普段遊んでる仲間の中にも出ない名前だ。
「中学ん時の」そこまで聞いて、私達以外に五人くらい居た飲み会があったのを思い出す。でも、誰一人顔が思い出せない。
次第に修司の顔が曇り出す。
「私さ、あの頃」
「髪長かったよな」私の言葉を途中から修司が継いだ。
その通り。背中まであった髪はこの春、肩先までになっている。
髪を切ってからは、仕事関係以外会ってない。私の友達にも、だ。
「ごめん」
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