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梅雨が存在しなくなると、日本人は全滅する。
何だそれは、幼稚な都市伝説だな。
無知な僕は、その一節を見たときにそうせせら笑ったのだった。
スクロールして流し読みしていた、つぶやきのタイムラインの中だ。
それがいつのことだったのか、去年より前だったことは確かなのだけど、ハッキリと思い出せないのは、僕が歳を取った証拠なのだろうか。
新卒で入社を果たして四ヶ月ほどの僕が、そんなすでにリタイアしたご老人じみた言い方はしたくないが、中学生や高校生から見れば、とりあえず僕はもう立派な『おじさん』だ。
とにもかくにも、浅はかだったそのときの僕は、梅雨前線がやってこないくらいで、そんな深刻なことになるわけがないと呆れた。
だけど、後々になってよくよく考えると、一般的に梅雨と呼ばれている時期の次には、当たり前だけど夏がくる。
夏の空のイメージと言えば、やっぱりまぶしい晴天だ。肌を刺すような陽射しの晴れた空が続き、夕立を除いて、本格的な雨は少ない。
もし六月から七月前半にしっかりと雨が降らないようなことになれば、夏には必然的に、水不足が起こる。
大地は干上がり、作物は育たず、冷やされないアスファルトは熱を放射するばかりで、気温はどんどん上昇していくだろう。でも、水はない。
つまり、梅雨がないことによって、日本人は滅びえるのだ。
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