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「残念ね。
君には眠っていてもらわないといけないの。
でも、ありがとう。
あの子、フミカ、私の娘の原因を見つけてくれて。
だから、せめてもの救いに、アイツには内緒で、行きたい処に送ってあげる」
彼女は力が抜けていくボクをそっとベッドに戻した。
「ただ、」
そして、彼女は、アノ世界でよく見た鉄仮面に戻ると、続ける。
「私は君の母親ではない。この先は自分でどうにかしろ」
返事の代わりに微笑むボクを見て、彼女は薄く笑い、更に何かの栓をひねった。
その途端に、繋がれたチューブからボクに何かが流れ込んだ。
ボクは、それがもたらした引力を素直に受け入れた。
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