ドレスと一緒に私も売れました

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『ひろくんへ だいすきです。 大きくなったら、 ひろくんのおよめさんに してください。 つむぎより』 え? 何これ!? 驚いた私が顔を上げると、優しく微笑む尋輝さんと目が合った。 「これは、俺の宝物。 初めてもらったラブレター。 紬、覚えてる?」 私は黙って首を横に振る。 申し訳ないけど、全然、覚えてない。 「そっか。 そうだよな。 この時、紬、2年生だったしな。 でも、6年だった俺は、今でもはっきり 覚えてる。 俺は紬にちゃんと返事をしたんだ。 大きくなったら、迎えに行くって。 だから、迎えに来た。 紬、結婚しよう。」 「え、だって、私、尋輝さんのこと、よく 知らないし、尋輝さんだって、小学生の頃の 私しか知らないでしょ?」 そんなので結婚なんてありえないよ。 「俺、さっき、紬の店で言ったと思うけど?」 「え、何を?」 「紬のこの後の時間を買いたいって。」 「は? それは、さっきのパーティの話でしょ?」 「パーティだけだなんて、俺は言ってない。 俺は、この後の紬の時間全てを 引き受けたんだ。 でも、戸惑う紬の気持ちが分からない わけじゃない。 だから、紬、結婚を前提に俺と付き合って ください。」 差し出された尋輝さんの手は大きくて… 私が忘れてしまった思い出を大切にしてくれてたのも嬉しくて… でも… 「やっぱり、無理です。 だって、尋輝さんは大きな会社の 専務さんで、行く行くは社長さんに なるんじゃないんですか? 私は、ただの縫製屋です。 釣り合いません。」
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