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ただ走る
どのくらい走ってきたんだろう
もう、走らせている馬も体力の限界を迎えているのに、鞭をたたきすぎてしまった。
大きな森を抜け出したところでガクンと大きな衝撃が走った
馬が倒れこんでしまった、
この事実に気が付いたのは、痛みとともに倒れこんだ目の前に土が広がっていたのを確認してからだった。
無理をさせすぎた。倒れた馬は立ち上がることができなければ死んでしまう
それでも馬は、驚くことに主人を移動させようと必死にもがいた
「もういいよ、もういいよ...」
あまりの忠誠心に泣きながらすがりついた。
しかし、追ってはやってくる。いつまでもじっとはしてられない
ふと、愛馬を見ると、鋭い目をしていた。
目が、早く行けと言っている。
心の整理はつかない、けれど捕まるわけにもいかない。愛馬のためにも
男は涙を流しながら森の出口へと走っていった。
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