紅葉と君と私と

2/7
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
強い風が吹いて、2人の髪は揺れていた。 揺れる髪、儚い瞳、キッと結ばれた唇。 美都香の瞳は彼を捕らえて離さなかった。 その「彼」は、美都香に気付くとふっと笑って「こんばんは」と言った。 美都香は「…こんばんは」と返事をしたが、なんとも言えぬふわふわとした感覚であった。 「彼」は美都香に「こんな蒸し暑くて寝付けない夜は、散歩するに限りますね」と話しかけた。 遅れて美都香は「え、えぇ、そうですね…」と答える。 「申し遅れました。俺は皐月由希です」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!