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次の日の夜、美都香と由希はあの木の下で会っていた。
美都香は由希に会うだけのはずなのに、とても服装に気を使っていた。会った時に由希が「似合っているよ」なんて言ってくれたら、と思いながら、服を引っ張り出しては身体に当てていた。
由希と会ったら、少しだけ話をする。
あんまり長く話していたらきっと、親に心配されてしまう。それに、龍之介という婚約者がいる以上、あまり男性と会うのは良くないだろうと思ったためでもある。
でも会うたびに、もっと会いたい、触れたい、もっと、もっとと欲はふくらみ、破裂しそうになる。
それは由希も同じで、日に日に美都香への想いは大きくなっていった。まるで紅葉が真っ赤に染まっていくかのように、2人の恋も赤く染まっていった。
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