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レオは大きな音を立てて部屋を出て行った。本当は俺だって学校に通わせてやりたい。
「ゴメンな……」
俺はこれ以上、お前にあんな思いをさせたくないんだよ。
ーーーーー
3年前。
俺がまだ普通の天使で、お前がまだただの聖獣だった頃。
「ノア!今日は奥の森に行こう!」
「おー」
毎日、だだっ広い天界を2人で旅をしながら回っていた。
何億年もかけて回った天界で、入ったことの無いたった一つの場所。
《黒い森》
その森は、夜でも明るい日差しが降り注ぐ天界にありながら、鬱蒼と生い茂る木々のせいで光が届かない暗黒の地。
俺達はここを最後の旅の場所にすると決めていた。
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