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誰かが二人同じ椅子に座っているようだ。
二人がこちらを見ている。
「あぁ、ないとう、だっけ。」
お前は数学科の矢野じゃなかったっけ。
「見つかっちゃたな。聖実」
「っ」
せいじ。せいじ。
内藤は聖実という名前を舌で転がす。
あぁ、綺麗な泉だ。落ち着いていて、目を伏せると睫毛が光で輝く。あの、泉。
泉はなにをしているのだろう。矢野と向かい合わせで。
内藤が開けた扉から射し込む一筋の光。それによって教室のなかは暗さが増す。
二人のシルエットは周りよりも暗かった。
「なに、してるんですか」
目を見開き、それが本当にそうなのか見極めようとする。
矢野は泉を抱え、そのままゆさゆさと揺さぶった。泉は内藤から見えない矢倉の肩に顔を埋めている。
「先生!なにしてんすか!」
内藤は一歩中に入る。
闇が背中から覆い被さる。
「聖実、聞いてるぞ?」
矢野は泉の顔に口を寄せる。
泉はワイシャツを片方の肩からずり落ちさせていた。全裸でいるよりも艶かしい。矢野が揺れる度にふわふわと制服と髪が揺れる。
「おい、離せよ」「あ、ん」
泉の声が内藤に被る。
その細く美しい指先が相手のワイシャツに絡む。
目と、耳が爛れそうだ。
内藤は泉の左手を掴み、寄せる。
「ふぁっ」
ぐちゅ、と嫌な音が下から聞こえる。
泉はよろけそのまま内藤の胸にあたった。
「なに、内藤も狙ってたの?てか、俺のこれどうしたらいいのさ」
矢野は飄々と自分のものを掴み、揺らす。
泉は右手で内藤の胸を押す。
「なにしてんだって聞いてんだよ」
泉の腰を抱きしめ、掴んでいた手を離し頭を自分の胸に押し当てる。
矢野ってこんな奴だったか。こんな、奴だったか。
内藤は矢野の目を離さなかった。
はぁ、と矢野は白けたというように一旦下を向き、立ち上がる。
矢野は内藤より頭半分デカイ。筋肉量はどうか分からないが自分よりデカイということはそれ相応の筋肉が付いているはずだ。
「泉、聞いてるよ。教えてあげたら?」
矢野は自分のズボンを履き始める。
泉はドンっと先程よりも力を込めて内藤を押した。少しの隙間が出来る。その隙間に黒い手が入ってきた。
このっ。
するりと大理石のような肌に巻き付き、自分から離れていく。
「なぁ、言ってやれよ聖実。なんでセックスしてたのか」
とん、と今度は矢野の胸に泉の肩があたる。
ワイシャツが脇にはけ、尖りや下生え、そこに付くCGのような綺麗なものが眼前に出た。
ん?と言いながら矢野はその綺麗なものに指を絡める。親指と人差し指で先端を掴み、擦り合わせるように動かした。
「俺が、好き、だから」
「なにが」
「せっくす」
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