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突然だが皆さんは赤いものと聞かれたら何と答えるだろうか?
消防車?バラ?郵便ポスト?それともリンゴやイチゴ?世の中には沢山の赤いものが存在している。
これは赤いものが怖い男の一日である。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
一人の男性の声が当たりに響いた。辺りにいた人々は何事かと男性に目をやると赤い服を着た人を見て男性は蹲って震えており赤い服を着た人は『しまった』と罰が悪そうな表情になっていた。それをみて人々はまたいつものかといった感じで同時に赤い服を着た人に同情めいた視線をやって直ぐに何事もなかったように歩き出した。
「う、う、う」
実は男は似たような情態に何度もなっており殆どの人がわかっているのであるが偶に今回のようなことが起きるのだ。男の名前は石戸修一(いしどしゅういち)といい赤いもの恐怖症なのである。
「はぁ、朝から酷い目に遭った・・・・・・」
そう一人愚痴る石戸。今はあれから時間が経ち会社へと向かっている最中である。
「何でこんなことになったんだよ・・・・・・・」
石戸は呟き赤いもの恐怖症になった経緯を思いだす。
あの日は、いつものように仕事帰りで横断歩道を歩いていると信号無視をした赤い車に追突されたのである。それ以来赤いものを見かけるたびに体が震えるのだ。
「はぁ~」
石戸は何度目かもわからないため息をこぼした。石戸の災難はまだ続く。
「おう!おはよう!」
「先輩おはようございます・・・・・・」
会社に着き挨拶をしたのは会社の先輩 工藤清木(くどうせいき)である。
「どうした?朝からそんな暗い顔して・・・・・・ああ、またか?」
「はい・・・・・・」
朝から雰囲気が暗い石戸を見て何があったか察した工藤が聞くと石戸は頷いた。
「それは、朝から災難だな」
「はい・・・・・・」
「まぁ、元気出せ!何時までも気にしていたら切りがないぞ?」
「・・・・・・はい」
工藤はそう言うが石戸は暗いままだった。
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