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「ねぇ。なぜ、いるの?」
私はキッチンに並べられた野菜達を見ながら、嫌な顔を隠すどころか前面に押し出す。
周囲の人たちに言わせるとどうやらイケメンの最たる感じらしい彼は、慣れた手つきでサラダを作っている。
「…そんなに嫌わないでやってよ」
と、私の言葉に動じるそぶりはゼロ。
私たちの関係はまさに友達以上恋人未満の典型。
今日だって、仕事も休みだし昼過ぎまで寝てようと自堕落を決め込んでウトウトを繰り返していた。その最中、キッチンの方からする物音に気がついてそちらに向かって目にしたのが、先のサラダを作っているシーンだったというわけだ。
つまり、彼は我が家の鍵を持っていて、その逆もしかり。
特に進展させようとは思っていないけれど。
時々この関係に、それが良い方向でも悪い方向であったとしても、はっきり名前をつけた方がいいのかなと思うこともある。
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