死神さんと死にたがり

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「ゲイって、あのゲイですか?」 「ゲイってあのゲイ以外何があるんですか?」 「ほらあれ、えーっと・・・、海で泳いでて、尻尾がとんがってて・・・」 「それエイじゃないですか?」 「・・・・・・・・・・・・エイ?」 「・・・・・・」 死神さんは首を捻って口をすぼめた。 「ゲイって、あれですか。あれあれ・・・えっと・・・あれですよアレ」 お前はおじいちゃんか。 死神さんはアレと言いつつ、思い出す気はサラサラないように思えた。 「男の人が男の人を好きなことです」 「あーはいはい、ソレですよソレ」 「嘘つけ」 絶対知らなかっただろ。 死神さんは肩をすくめる。 「で、それになんの問題があるんですか?」 「ありますよ。大ありです。まず、私が女なんです」 「知ってますよ」 「私が抱いて欲しい相手は、男しか抱けないんです」 そういうと、死神さんは白い手袋した手を額に当てて、わざとらしく「あちゃー」と言った。
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