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「えー、どうします? そんなのあなたの願い叶えられないじゃないですか」
「叶えられなかったらどうなるんですか?」
「多分、あなたが成仏できません。そして私はクビです」
「成仏できないのか・・・。それもいいかもしれません。ずっと彼を見守っていられるなら」
「やめてくださいよ冗談じゃない。僕がクビになる上に、あなた地縛霊になってもどうせ霊力少ないんですからここから動けませんよ。新しいここの住人にポルターガイストで知らせようとしても、なんか変な霊媒師呼ばれて除霊されるだけですよ。偽物の詐欺師だったらいいものを、本物だったらどうするんです? 除霊は成仏と違うんですよ。除霊されると存在が消えるんです。転生なんて夢のまた、夢ですよ」
死神さんはぶるりと肩を震わせ縮こまった。
「・・・じゃあ、どうすればいいんですか」
じとり、湿気のこもった目で見つめると、彼は困ったように眉を顰める。
「・・・じゃあ、とりあえず相談してみたらいかがです?」
「だれと」
「もちろん、あなたの想い人ですよ」
あ、こいつ考えるの面倒くさくなってきたな。
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