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スーパーでおにぎりとハムカツとイカフライ、それから食後のプリンも購入。
店を出たところで喉の渇きを覚えて、ちょうどそばにあった自動販売機に視線を向ける。
『全品110円』と大きく書かれたシールを見た途端、茜はほぼ無意識のうちにコーヒーを買い、その場で一気に飲み干した。
なんとなくどこからか視線を感じたような気がして、辺りをキョロキョロを見回してみる。
しかし、ちょうどスーパーに入っていく主婦ぐらいしかおらず、おまけにこちらを見ている様子もない。
「気のせいか」と茜は呟いて、駐輪場に止めた自転車にまたがった。
アパートの部屋に帰りつくと、狭い台所でハムカツとイカフライをパックのままレンジで温める。
おにぎりをかじりつつ、ハムカツとイカフライを隣の居間兼寝室まで持っていき、ローテーブルの上に乗せた。
イカフライに醤油をかけつつ、茜は眉間に皺を寄せる。
「このおにぎりの明太子、ちょっとしか入ってないじゃないの」
そう言いながら、残りのおにぎりを食べ終えた。
ハムカツを手で持って食べつつ、台所に移動して冷蔵庫を開ける。
グラスに麦茶を注ぎ、ハムカツで油っぽくなった口を麦茶でリセット。
茜は、二杯目の麦茶をグラスに注ぎながらポツリと呟く。
「栄養が偏ってるなあ。まあ、今日はいいか」
グラスを口につけたところで、茜はぴたりと動きを止める。
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