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視線を感じたのだ。
そんなはずがない、と茜はすぐに頭を左右に振る。
なぜなら、ここは茜が一人で暮らしてる部屋なのだ。
視線を感じるのであれば、それは中に人がいる、ということ。
両親がくるという連絡はなかったし、友人が来る予定もない。
何よりも玄関の鍵はきちんとしまっていたのだ。
そう思って納得しようとするものの、やはりどこからか視線を感じる。
茜は不安を拭うために、トイレやお風呂、押入れの中なども確認したが、誰もいなかった。
安堵のため息をもらし、彼女は麦茶を一口飲んで呟く。
「疲れてるのかな」
そう言って、まだ残っているイカフライに手を伸ばそうとするが。
なんとなく食欲が萎えてしまった。
イカフライは冷蔵庫に入れて、その日は早めに寝るべく風呂へと急いだ。
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