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ノートの表紙に書かれてあった名前は、藍沢愛奈。
「藍沢さんと気が合うのね」
茜はそう言いながら、『先生も似たような夜を過ごしました』と書こうとしてやめる。
それから少しだけ考えて、こう書いた。
野菜も食べましょう、と。
その日も無事に一日は過ぎた。
七組は特に何も問題もなく、むしろ、もう少し手の焼ける生徒がいてもおかしくないと思えるほどに。
気にかかるのは、藍沢の生活ノートの内容だけだ。
ここまで似ている生活を、年齢も生活環境も違う二人が送るものだろうか。
それを考えると、胸がなんとなくざわつく。
なので、茜は「偶然、偶然」と何度も自分に言い聞かせて、学校を出た。
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