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教壇の上までたどり着いた茜は、ホッと胸をなでおろす。
なんだ、普通のクラスだ。
しかし、そう思おうとした途端に、一週間前の出来事を思い出す。
あの不安な感じとか、実際の校長の態度、口調、そのようなものを総合すると、このクラスは『問題児の集まり』という結論になってしまうのだ。
「気は抜けないな」
茜は小さく呟き、心のざわつきを抑えつける。
突然、一年七組を受け持ってほしいと言われたのは、夏休みが明ける一週間前だった。
校長室に呼ばれ、何事かと思えばそんな話。
茜にとって初めての受け持ちのクラス、これは教師としての本当の第一歩だ。
そう思いたいのに、なぜか校長は椅子ごとこちらに背を向けていて、口調も随分と暗かった。
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