第1話 嵐のような楽屋

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そんな時、楽屋のドアからノックする音が聞こえた。 「あんた、入るわよ」 ドアの向こうから女の声が聞こえた。 そして、チャンピオンの返事もする暇もなくドアを開けた。 俺は女性の姿に目を奪われた。 凄い美人がこの楽屋に現れたのだ。 ウェーブのかかった茶髪に、丈の短いミニのストライプスーツ。 そして、それら全てが似合う程のスタイルの良さ。 しかもはち切れんばかりの巨乳だ。 一体、この女性は誰なのか……… 謎の美女に困惑する俺を他所に中田プロデューサーが彼女に近づいた。 「冴さん、よくいらしてくれました」 プロデューサーは謎の美女にペコペコと頭を下げた。 「中田ちゃん。この度は本っ当にごめんなさい」 すると、謎の美女もプロデューサーに頭を下げた。 「本っ当にウチのには困ったものだわ」 突然、謎の美女は俺に鋭い視線を向けた。 正確には俺ではなく、後ろにいるチャンピオンにだ。 後ろを振り向くと、チャンピオンは謎の美女から目を背けており、彼女を見ようともしなかった。 しかも、俺達への横柄な態度はとうに消え失せ、顔は青ざめ、酷く怯えているようにも見えた。
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