第11話 きっかけ

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開始から2時間が経過していた。 今のところ、放送は順調にいっていた。 0対0と両者ともに犯罪者を探している訳だが、さほど負ける心配はしていなかった。 勝っても負けても華々しい花道を作るのが、私達の最終目的だからだ。 それに隆成の事だ。 最後に纏めて始末して、形勢逆転を狙ってるに違いない。 そっちの方が目立ちやすいからだ。 私はそれをただ、VIP席に置いてあるテレビを見ながら、固唾を呑んで見守るしかなかった。 そんな時だ。 挑戦者の黒坂先生が映り出した時、電話が鳴り響いた。 隆成からだった。 本来なら外部からの連絡は禁止されていたのだが、チャンピオンの権限で私にだけ電話する事を許されてる。 ――まさか、もうホームシックになったとか言わないでしょうね。 一途の不安を抱えつつも、私はとりあえず電話に出る事にした。
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