102人が本棚に入れています
本棚に追加
開始から2時間が経過していた。
今のところ、放送は順調にいっていた。
0対0と両者ともに犯罪者を探している訳だが、さほど負ける心配はしていなかった。
勝っても負けても華々しい花道を作るのが、私達の最終目的だからだ。
それに隆成の事だ。
最後に纏めて始末して、形勢逆転を狙ってるに違いない。
そっちの方が目立ちやすいからだ。
私はそれをただ、VIP席に置いてあるテレビを見ながら、固唾を呑んで見守るしかなかった。
そんな時だ。
挑戦者の黒坂先生が映り出した時、電話が鳴り響いた。
隆成からだった。
本来なら外部からの連絡は禁止されていたのだが、チャンピオンの権限で私にだけ電話する事を許されてる。
――まさか、もうホームシックになったとか言わないでしょうね。
一途の不安を抱えつつも、私はとりあえず電話に出る事にした。
最初のコメントを投稿しよう!