第11話 きっかけ

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「どうしたの?もうホームシックにでもなった?」 私は気になる質問をすぐに投げかけた。 「違うよ。でも君に凄く会いたい事には変わりはないがな」 ――もう……バカ…… しかし隆成は私への想いを伝えた後、すぐに気持ちを切り替えて早速、本題に入った。 「なぁ、4年前にもなるが……以前、隆康夫婦と一緒に食事をしに行った事があるよな?」 「ええ、あんたと隆康さんが騒ぎを起こした事件よね?」 「あ、ああ、そうだな」 自分から聞いたくせに隆成はぎこちない返事をした。 以前、夫は腹違いの弟の隆康さんと喧嘩した。 隆康さんが酔っ払って私を侮辱したからだ。 「キレる気持ちは分かるし嬉しいけど、お店の人に迷惑かけちゃダメでしょ」 「4年前と同じ事を言わないでくれ。それよりも俺と隆康の喧嘩を止めに入った警備員を覚えてるか?」 「覚えてるわけないでしょ」 「だよな…………」 それから隆成は黙ってしまった。 いきなり4年前の事を持ち出して、私はすぐに疑問を抱いた。 「ねぇ、4年前がどうかしたの?」 私がそう尋ねると隆成はすぐに正直に答えてくれた。
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