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隆成が1人の男を挙げた時、私は確認の為もう一度聞いた。
「いいのね?」
「ああ、お願いします」
「分かったわ。他に伝言があれば言って頂戴」
「それなら、隆康に事件当日の事を聞いといて欲しい」
「隆康さんか………分かった」
その名前を聞いた時、咄嗟に言葉を詰まらせてしまった。
隆康さんは悪い人ではないが、苦手なタイプだ。
風俗で働いてた時にこの手のタイプをよく見かけた。
金持ちを良い事に大金をチラつかせて、店にないそれ以上のプレイを要求する。
良くても悪くても人を見下す。
そんなタイプだ。
隆康さんで嫌な思い出を蘇らせてしまったのか、隆成は声を落として再度、私に謝った。
「君には迷惑かけてばかりで申し訳ない」
「いいのよ。夫婦でしょ」
勿論、私は気にしてない。
隆成の為なら苦手なタイプとか言ってられない。
「それじゃあ、頑張ってね」
私はそう言うと電話を切り、早速、夫の真の父親に電話をかけた。
この国の官房長官である飛武隆真に………
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