第11話 きっかけ

7/27
前へ
/372ページ
次へ
電話の奥から小さく唸り声が聞こえた。 飛武さんが考えてるのだろう。 しかし、決断は早かった。 「分かった。引き受けましょう」 「ありがとうございます」 「そちらの準備ができ次第、ホログラム電話を起動するように隆成に伝えておいてくれ」 「よろしくお願いします………それともう1つ。隆康さんについてなんですが………」 私は隆成から頼まれた隆康さんの件について尋ねようとした。 すると、飛武さんはすぐに察知してくれた。 「そうか。隆康もあの場にいたんだよな」 「はい。その件で隆康さんにもお話が聞けたらと夫が申しておりまして……」 すると、予想だにしない答えが返ってきた。 「今、ここにいるから代わろう」 「えっ?………」 一瞬、躊躇った。 まさかいるとは思ってもみなかった。 だけど電話をかける手間が省けたので、私はすぐに頼んだ。 「お願いします」 電話はすぐに飛武さんから隆康さんへと代わった。
/372ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加