第11話 きっかけ

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4年前……… 隆康さんが、食事に行かないかと誘ってきた。 この誘いに夫は戸惑い、何か嫌な予感がすると疑念を抱いた。 隆成と隆康さんは腹違いの兄弟だ。 しかし、2人はそこまで親しくはなく、お互いを避けてきた。 そもそも夫は最初に出会った時から、彼を嫌っていた。 政治家の息子を鼻にかけた傲岸不遜な振る舞い。 更に親の権力を使って自分の悪事を揉み消してきたのが主な理由だ。 隆成は極力、彼との接触を避け続けた。 ところが突然の食事の誘い。 夫が疑念を抱くのにも無理はない。 しかし時が経つにつれ、夫の考えも変わってきた。 嫌な奴だし、腹違いだけど弟だということには変わりはない。 これを機に新しい関係が築けるのではないか。 そう考えれば考える程、会ってみたいという気持ちが増していき、誘いを受け入れることにした。 でも結局、この食事会は修羅場と化した。 酔った隆康さんが、私を侮辱し、夫の怒りを買った。 後日、隆康さんから謝罪の電話を貰ったが話はここで終わらなかった。 女同士だけの続きがあった。
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