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お義父さんとお義母さんが来ている。
それを聞いた私はその足で、ドームの裏口まで行った。
すると丁度、中年夫婦とおもしき2人と鉢合わせた。
「冴ちゃぁん!」
女性は愛嬌のある笑顔で私に手を振り、近付くと優しくハグした。
彼女は加瀬詩織さん。
夫の母親にして、お姑さんだ。
しかし嫁姑関係は良好で、お義母さんは私を実の娘のように可愛がってくれた。
「冴ちゃん、また一段と綺麗になって」
お義母さんは私の頬をツンツンと触れた。
「お義母さんこそ、相変わらずお美しいです」
「ちょっとぉ、すぐに会ってもうお世辞。食えない娘ねぇ」
「いえいえ、本当の事を言ったまでですよ」
本当にお義母さんは美しい。
50代半ばなのに傍から見れば30代前半に見えた。
顔の皺は少なく、肌もツヤツヤ。
白髪のないサラサラとした黒髪。
しかも、その豊満な胸は私に負けじと今だ健在で、垂れることはなかった。
「こらこら詩織。冴子さんが困ってるだろ」
お義父さんの加瀬佳佑が後からやって来て、落ち着いた口調で妻を窘めた。
「冴子さん。お久しぶり」
「お義父さんも元気そうで何よりです」
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