102人が本棚に入れています
本棚に追加
/372ページ
チャンピオンの口撃が突然、始まった。
終始、眠たそうな顔をして戸川さんのトークを聞いていたが、それに飽きたのか、いつも通りの口撃を始めた。
「君はサバゲーが得意とか誇らしく言ってるが、それはバーチャルゲームでの話か?」
「えっ?はい、そうですが………」
「では君はキャンプすらも行ってないのか?」
「まぁ、そうですね」
「そうか……では君はお得意の銃の腕前とやらも見せずに1日で棄権するな。賭けてもいい」
「チャンプ、もうその辺に」
金田さんが止めようとしたが、加瀬さんの口は止まらなかった。
「雪のエリアなら猛吹雪と真っ白い霧。真夏のエリアなら猛暑と突如降ってくるスコール。バーチャルじゃないぞ。リアルにだ。しかも味方はいない。君1人だ。逃げる犯罪者はいるだろうが、最近、犯罪者も少しばかり抵抗する権利ができてな。犯罪者擁護×××団体のお陰でな」
チャンピオンの口撃は過激さを増し、しまいには放送禁止用語が出た。
「想像してみるんだ。たった1人………電気もない、味方もいない。あるのは己を守る銃のみ。しかし、君はそれを遊び半分の玩具のように見ている。そんな×××に×××をかけた×××野郎が俺に敵うわ」
「キャーッ!!」
モニターが悲鳴する若い女性の顔へと切り変わった。
チャンピオンの過激さがヒートアップしだしたので、それを止める為にCMに切り替えたのだ。
「処女を狙うハゲ親父の顔をした最強大蛇、通称“化け物”。それに立ち向かうは最強の殺し屋“幻影の暗殺者”ランドールだった!主演ドルフィン・ラグレーン。ヒロイン桜木鈴乃。今ここに最強VS最強の究極バトルの幕が上がるっ!『幻影の化け物』ッ!!coming soon」
最初のコメントを投稿しよう!