第1話 嵐のような楽屋

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チャンピオンの口撃が突然、始まった。 終始、眠たそうな顔をして戸川さんのトークを聞いていたが、それに飽きたのか、の口撃を始めた。 「君はサバゲーが得意とか誇らしく言ってるが、それはバーチャルゲームでの話か?」 「えっ?はい、そうですが………」 「では君はキャンプすらも行ってないのか?」 「まぁ、そうですね」 「そうか……では君はお得意の銃の腕前とやらも見せずに1日で棄権するな。賭けてもいい」 「チャンプ、もうその辺に」 金田さんが止めようとしたが、加瀬さんの口は止まらなかった。 「雪のエリアなら猛吹雪と真っ白い霧。真夏のエリアなら猛暑と突如降ってくるスコール。バーチャルじゃないぞ。にだ。しかも味方はいない。君1人だ。逃げる犯罪者はいるだろうが、最近、犯罪者も少しばかり抵抗する権利ができてな。犯罪者擁護×××(ピーッ)団体のお陰でな」 チャンピオンの口撃は過激さを増し、しまいには放送禁止用語が出た。 「想像してみるんだ。たった1人………電気もない、味方もいない。あるのは己を守る銃のみ。しかし、君はそれを遊び半分の玩具のように見ている。そんな×××(ピーッ)×××(ピーッ)をかけた×××(ピーッ)野郎が俺に敵うわ」 「キャーッ!!」 モニターが悲鳴する若い女性の顔へと切り変わった。 チャンピオンの過激さがヒートアップしだしたので、それを止める為にCMに切り替えたのだ。 「処女を狙うハゲ親父の顔をした最強大蛇、通称“化け物”。それに立ち向かうは最強の殺し屋“幻影の暗殺者”ランドールだった!主演ドルフィン・ラグレーン。ヒロイン桜木鈴乃。今ここに最強VS最強の究極バトルの幕が上がるっ!『幻影の化け物』ッ!!coming soon」
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