せなかあわせ

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※ 「なんで別れたの?」 そう問われたってまともに答えを返せた事はない。愛してくれるから私も愛した。それが尽きたと言われたから、私も終わりにしているだけ。結論が出てるんだから過程なんて要らないでしょ? 話をし続けて分かった事。 彼女はいつだって他人を見下すように、瞳に熱が込もらない。私を馬鹿な女と思っているのだろうけれど、あなたの誇る優位(マウント)や賢さは誰が評価するの?誰が愛してくれるの? ミルクと砂糖が焦げるような苛立ちが募る。 それでも私は彼女の向かいに腰を下ろした。 私はこの女が心底嫌いだ。 だけど彼女がいなくなると困る。 自分は賢しいと勘違いしたまま、独りぼっちでいて欲しい。 彼女の周りに人が集まるなんて許せない。 そんな歪んだ願望を、彼女は今日も満たしてくれる。 私があなたを嫌いな理由が、私があなたを好きな理由。 背中合わせだと、思った。
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