6人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
※
「なんで別れたの?」
そう問われたってまともに答えを返せた事はない。愛してくれるから私も愛した。それが尽きたと言われたから、私も終わりにしているだけ。結論が出てるんだから過程なんて要らないでしょ?
話をし続けて分かった事。
彼女はいつだって他人を見下すように、瞳に熱が込もらない。私を馬鹿な女と思っているのだろうけれど、あなたの誇る優位や賢さは誰が評価するの?誰が愛してくれるの?
ミルクと砂糖が焦げるような苛立ちが募る。
それでも私は彼女の向かいに腰を下ろした。
私はこの女が心底嫌いだ。
だけど彼女がいなくなると困る。
自分は賢しいと勘違いしたまま、独りぼっちでいて欲しい。
彼女の周りに人が集まるなんて許せない。
そんな歪んだ願望を、彼女は今日も満たしてくれる。
私があなたを嫌いな理由が、私があなたを好きな理由。
背中合わせだと、思った。
最初のコメントを投稿しよう!