episode1

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高校の校舎裏の金網ドアを通って、裏道の細道を歩いて10分程の場所にある、向日葵畑。 宗介と放課後デートするのは、そこだった。 「陽子には、向日葵が似合うね」 そう言って、いつも宗介は笑う。 宗介は私が小さい頃から側にいた。 家が近所で親同士も仲が良く、近くの公園で一緒に砂遊びやブランコ競争したりしていた。 いつの間にか、どちらからともなく私達は付き合っていた。 大きな向日葵の横にレジャーシートをひいて、用意したお菓子とジュースを口に運びながら向日葵を見る。 今日あった楽しかった事、英語の先生がつまらない事ばかり言う事など、何気ないことまで話していた。 「もし、僕達が結婚式する時はここでしよう」 そんな約束までしていた。 その時の私達は、永遠を信じていた。 宗介と結婚して、子供が出来て、しわの多い宗介と縁側でお茶を飲む。 それを望んでいたし、ずっと宗介といるのが当たり前だと思っていた。
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