1人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
高校の校舎裏の金網ドアを通って、裏道の細道を歩いて10分程の場所にある、向日葵畑。
宗介と放課後デートするのは、そこだった。
「陽子には、向日葵が似合うね」
そう言って、いつも宗介は笑う。
宗介は私が小さい頃から側にいた。
家が近所で親同士も仲が良く、近くの公園で一緒に砂遊びやブランコ競争したりしていた。
いつの間にか、どちらからともなく私達は付き合っていた。
大きな向日葵の横にレジャーシートをひいて、用意したお菓子とジュースを口に運びながら向日葵を見る。
今日あった楽しかった事、英語の先生がつまらない事ばかり言う事など、何気ないことまで話していた。
「もし、僕達が結婚式する時はここでしよう」
そんな約束までしていた。
その時の私達は、永遠を信じていた。
宗介と結婚して、子供が出来て、しわの多い宗介と縁側でお茶を飲む。
それを望んでいたし、ずっと宗介といるのが当たり前だと思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!