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その事故が起きたのは、私が18歳の誕生日を迎える前日だった。
母が血相を変えて、ノックもせずに私の部屋に飛び込んできた。
「宗介くんが!宗介くんが!」
ずっと宗介の名前を叫び、激しく泣き、狂ったように私の肩を揺らした。
「落ち着いて。宗介がどうしたの?」
泣き崩れる母の背中を摩り、落ち着くまで一緒にいた。
母は落ち着くと、一呼吸して言った。
「宗介くん、今日、信号無視した車に轢かれてしまったの……」
口を手で塞ぎ、母は嗚咽しながら泣き始める。
「え……
それで?宗介は無事なの?」
母は肩を震わせながら、私の胸に寄り掛かる。
「さっき、藤村さんから電話があって……
宗介くん、救急車の中で息を引き取ったって……」
私はそれから何日か不登校になり、ベットでずっと泣いていた。
母は何も言わず、ご飯を部屋に持って来てくれて、一緒に泣いてくれた。
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