episode2

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霞々丘霊園のE列の12番目の墓。 その墓には、『藤村』と書かれていた。 お墓の横を見ると、『藤村宗介』という文字が刻まれていた。 宗介のお墓に来るのは初めてだった。 葬式に行くのがやっとだった。 宗介が焼却炉に入った後、私はずっと車に閉じこもっていた。 遺骨になった宗介を見たくなかった。 宗介が死んだなんて、信じたくなかった。 私は車で泣きじゃくる事しか出来なかった。 不思議な事に、今は懐かしさでいっぱいで、心の底から安眠を祈る事が出来た。 どうして、こんな大切なことを忘れていたんだろう。 宗介は、私にとって大切で、永遠に心の中で生きているのに、お墓に来るということをずっと避けてた。 宗介のことも思い出すと辛いから、頭の奥の方に閉まって、思い出すことさえしようとしなかった。 「ごめんね。 来るのがだいぶ遅くなっちゃったね」 私は罪悪感を感じながら、宗介のお墓を撫でた。
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