episode2

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「来て頂けたんですね」 後ろを振り返ると、今日来た配達員さんがそこにいた。 「向日葵畑にメモを置いたのも、書いたのも僕です。 いきなりこんな事をして、すみませんでした」 若い男は朝と同じように深く頭を下げた。 「僕は宗介さんの弟で、航平と言います」 弟? 宗介に弟はいなかったはずだが、この男はだいぶ若い。 「僕は宗介さんが死んだ3年後に産まれました。 陽子さんが知らないのも無理はありません」 私の気持ちが顔に出ていたのか、宗介の弟と名乗るその男は言葉を付け足していく。 確かに、宗介が死んだ後、私は藤村家との交流を避けた。 何かと思い出してしまうから。 丁度この男が産まれただろう年に、私は地元を出て行った。 ここには、宗介との思い出が多すぎるから。
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