気晴らし

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萌子は明莉にカナヅチを持たせて、自分は竹刀を握っていた。 そしてここぞとばかりに暴れまくった。 最初は戸惑っていた明莉も、萌子のキレっぷりを見習ったのか、思い切りよくカナヅチを振りまわし始める。 「もっと叫んで明莉ちゃん。この部屋防音でしょう」 「うん、そう。ええーい、このぉっ!」 萌子は、 「もういっちょ行こうか。和緑(かずのり)のバカーッ!」 ぶら下がっている電灯に竹刀で殴りかかる。 明莉も、 「うん、蒼生のバカヤロー!」 叫んで、壁にかけてあった時計を叩き潰した。 「心配性のお節介。蒼生のバカバカバカー!」 「和緑しつこいキモい、浮気するなら別れる覚悟ぐらいしてからにしやがれっ」 「いつまで私のこと子どもだと思ってんの。蒼生ってばいい加減にしろー」
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