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萌子に付きまとっているのは、元恋人の豊中和緑だ。
和緑には、どう言葉を尽くしても、意思が伝わらない。
別に暴力をふるわれるわけではないが、ただずっと何か言いたげな目をして後ろをついてくる。
もちろん萌子からかけてやる言葉なんかない。
だから和緑から逃げるように、たまたま目に入ったReviveに入店してみたのだが、今もまだ、店の前で待ち伏せされていると思うと、かなりうんざりしてくる。
ふと気がつくと、明莉の顔つきがなんだか違っていた。
「付きまといは立派なストーカーだ」
その言葉づかいも、変わってきている。
「明莉ちゃん?」
首を傾げる萌子に、
「私が力になろう」
「……え?」
萌子はポカンと口を開けた。
萌子の事情など、明莉にはまったく関係ない。
それにただの中学生でしかない少女がどうにか出来る問題とは思えない。
それなのに、
「どうして?」
思わずそう聞くと、
「誰とも知れぬヤカラに付きまとわれる不安なら、私にもわかる」
「え?」
「私も付きまとわれてるんだ」
明莉は衝撃的なことを告白した。
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