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気晴らし
「どりゃーぁああああ!」
萌子の素っ頓狂な声が響いて、テーブルの上の食器がなぎ払われる。
ガチャガチャと狂ったような音が響いて、皿やコップが面白いように割れた。
「ホラ明莉ちゃんもやって」
「……う、うん」
ためらうようにうなずく明莉だったが、やがて覚悟を決めたのか、えいっとカナヅチを振り下ろす。
何も乗っていない木製のテーブルにミシッとヒビが入った。
「おーそっちに行くとは。ヤルねぇ明莉ちゃん」
萌子が言うと、明莉はふふっと笑い、カナヅチを両手に握り直す。
餅つきする時みたいに振り下ろして、
「!」
今度はテーブルを真っ二つにした。
「萌子さん!」
どやっとばかりに顔を輝かせる明莉に、
「どう、すっきりするでしょ」
萌子は親指をたてて見せる。
Reviveに戻って来た萌子は、明莉をRevive(ぶっ壊し)体験に誘った。
自分の(蒼生のだが)店なのに、明莉自身は一回もやったことがないと言ったからだ。
「もったいないよ、アレ絶対に世界が変わるし、さあ!」
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