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………瑠衣の手が俺の股を撫でる。
俺は瑠衣の手を掴みながら
『瑠衣…俺に嘘、ついただろ』
瑠衣が驚いたように手が止まり………
『……俺は嘘をつかない。どんな嘘だよ』
『俺が……瑠衣の事好きになる……』
『………………』
俺は……少しだけ振り返り静かに瑠衣を見つめた。
『早く…好きにならせてよ』
もう辛いんだ………
瑠衣が顔を歪ませ……優しく俺を抱きしめる。
『ごめん……令。俺がお前を無理やり抱いた日から……笑わなくなったんだよな。身体を手に入れれば心もすぐに手に入るかと……思ってた。でも………違った』
そう………俺は笑わなくなった。
いや
笑えなくなった。あの日から……。
『あの時はごめんね……』
瑠衣が真剣な瞳で……俺を見つめる。
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