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『令くん、この人だよ。今、ちょっとした有名人でさ……俺らと同じ年とかすごいよね。確か日本名は令くんと同じ花島なはず。だから、令くんの名前聞いた時に……どこかで聞いたことあるって思ったんだ』
隣で愛斗が興奮したように話していた。
でも……俺の耳には入って来なくて。
まさかこんなところで
………再会するなんて………
………5年ぶりだ
5年経ったけど………あの綺麗なブラウンの瞳は何も変わらない。あの笑顔も………声も。薄い色素の髪質も。体つきも。
頭の中で
走馬灯のように……
……まるで16才の時に戻ったかのように
甘く切ない思い出が駆け巡った……。
…ッ……………
涙が溢れそうになったから
………下を向く。
Tシャツの襟で……愛斗に気付かれないように泪を拭った。
会いたかった
会いたかったけど
会いたくなかった………
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