344人が本棚に入れています
本棚に追加
いつも見ている夢………
………夢を見た。
いつも覚えてないのに
今日は
鮮明だった………。
知らない街で樹とはぐれて……街の人に聞いて探すんだけど……真剣に探すんだけど……俺だけ樹に会えなくて。
……結局会えないまま
樹は俺を置いて船に乗ってどこかへ行ってしまう……。
樹……っ………行かないで
ずっと側にいて………。
………目覚めると………
……真っ白な天井……薄いピンク色のカーテンがすぐ側で揺れていた。手には点滴がされていて。
『目覚めたか』
……急に聞こえた声に視線を移すと
壁に寄りかかって椅子に座る……
………樹
がいた。
腕を組ながらあのブラウンの瞳で……無表情のまま俺を冷静に見下ろす。
『……何で泣いてる』
………え………?
思わず片手を頬に付けると
………頬に涙が伝っていた。
樹が急に立ち上がりカーテンの外に出ていこうとする………
………どこにいくの………?
樹が行ってしまう………っ
俺はガバッと立ち上がり
点滴をしていることも忘れて咄嗟に、樹の背後からスーツを握ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!