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『離せよ』
樹が振り向かずに冷たい声を出した。
『………あ、ご……めん』
俺は………パッと手を離す。
………何でこんな事したんだよ。俺。
『看護士を呼んでくる』
そのまま……振り向かずに樹は部屋から出た。
………そうだよ
俺から………酷い別れかたをしたんだ。
樹の中では終わってるに決まってる………。
………あの時はああするしかなかった
恨まれても
嫌われていても
………仕方がない。
俺は……力なくベッドに戻った。
何でこんなに胸がズキズキと痛むんだろう
樹に会ってから………
もうずっと痛くて
………溜まらない………
溜まらなかった。
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