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寝ている瑠衣の腕から逃れて……
瑠衣を冷めた目で見つめながら
早く俺に飽きて……
って思ってしまう。
瑠衣と別れても……俺はもう恋愛はしない。
ただもう1人になりたかった。
……身体に鈍痛が走りながら再び洗面所に向かう。身支度を済ませ、缶コーヒーを飲み干して……アパートを後にする。
大学までは電車に揺られて20分。駅から歩いて15分。特に何の夢も無くてがむしゃらに勉強に没頭した高校生活。勉強だけは……何も考えなくていい唯一の時間だった。
だから成績だけは右肩上がりで。俺は都内の私立に合格し……医学系に進んだ。
夢は今も見つからないままだけど。親父の獣医とゆう仕事は……尊敬していたから。
『令くん、おはよう』
校内に入ると後ろから声をかけられた。
振り返ると、ふんわりした笑顔で俺に近づく早希。学部は違うけど……早希とはたまたま大学が同じだった。
『おはよ』
俺も微笑み返す
『ね、今度の合同研修会行く?』
『あー……あの3泊のやつ?』
『うん、あ、でも令くんいつも参加してないんだっけ』
『あ、うん……バイト忙しくて』
瑠衣が……許してくれないから。
『そっかー……じゃあ今回も行かない?』
今回の研修会はもう、最後だし。聞いて見よう。4年生になったら就活になってあまり学校に来なくなるし……。
『考えてみる』
『良かった。じゃあ令くんまたね』
優しく微笑む早希と別れて……
俺は自分の講義に向かった。
早希は俺が……別れた後も、5年経った今でも何も聞かない。そうゆう娘だ……。雰囲気で悟ってくれるってゆうか……。
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