Weakness and tenderness

2/21
338人が本棚に入れています
本棚に追加
/192ページ
『………ほ、だか』 愛斗が寝言のように囁く。 ………ほだか? 誰だろう……… 『ちょ、愛斗っ離せよ』 俺は起き上がろうと身をよじった。 『……あれ、あ、ごめん…ッ…』 愛斗がパッと身体を離す 『……誰かと間違えたの?』 『……もしかして名前言ってた?』 『うん……"ほだか"って』 愛斗の表情が一気に曇った。 ……… 俺は慌てて話を変える。 『……あ。ごめん……愛斗、レポート終わったの?』 愛斗がクスッと笑い 『俺にも忘れたい恋があるんだよ、ね。レポートは終わったよ』 "忘れられない恋" じゃなくて "忘れたい恋" なんか……深そうだな。 『愛斗……悩んでるなら、俺で良ければ相談とか…乗るから、さ』 『じゃあ……花島さんのこと』 愛斗がふんわりと微笑み 『……協力してよね?』 え……あー…… 何て言えばいいんだろう……
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!