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『………ほ、だか』
愛斗が寝言のように囁く。
………ほだか?
誰だろう………
『ちょ、愛斗っ離せよ』
俺は起き上がろうと身をよじった。
『……あれ、あ、ごめん…ッ…』
愛斗がパッと身体を離す
『……誰かと間違えたの?』
『……もしかして名前言ってた?』
『うん……"ほだか"って』
愛斗の表情が一気に曇った。
………
俺は慌てて話を変える。
『……あ。ごめん……愛斗、レポート終わったの?』
愛斗がクスッと笑い
『俺にも忘れたい恋があるんだよ、ね。レポートは終わったよ』
"忘れられない恋"
じゃなくて
"忘れたい恋"
なんか……深そうだな。
『愛斗……悩んでるなら、俺で良ければ相談とか…乗るから、さ』
『じゃあ……花島さんのこと』
愛斗がふんわりと微笑み
『……協力してよね?』
え……あー……
何て言えばいいんだろう……
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