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『お疲れ様』
『お疲れ』
『今日は混んでたねーっ』
『……いつもだろ』
クスッと笑う愛菜と早希。
俺たちは支度をして、途中まで一緒に帰る。
二人とはバイトの話や愛菜の彼氏の話とか……とにかく女子って話題がいっぱいだ。てゆうか、ほぼ愛菜が話して終わりだけど。
早希も微笑みながら聞いてる感じ。俺も誰かと自分の話を笑いながら話してみたい。
話せる時が……
……くるのかな。
『ねえ令くん』
急に愛菜が真剣な顔になるから、驚いて見つめ返した。
『え?』
『………樹』
『あ、俺、もう電車の時間ヤバ。ごめんまた話して』
愛菜が誰の話をしようとしたのか
すぐにわかった………
ごめん。
………まだその名前、聞けないんだ
聞けそうにない………
俺は……二人と別れて電車に飛び乗った。
走ったから呼吸が乱れる。
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