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夜の電車に揺られながら、意外と多い客たちに挟まれ……つり革に掴まる。
……名前を聞くのも、辛いなんて。
今日はよく思い出してしまったからだろうか?
……それとも……まだ未練があるから?
答えはきっと
"どっちも" だ……
わかってる。情けないのも認める。
俺の中でまだ消化しきれない………
瑠衣と付き合いながら。忘れられない。
……いつになったら断ち切れる?
いつ……忘れられる
あのたった、数ヶ月の恋が
他のヤツと過ごした何年よりも大きいだなんて。
もう早く忘れたい。
忘れさせてよ……
瑠衣………いつまで俺を自由にしてくれないの?
駅に到着して歩いてアパートに向かった。
帰ったらレポートと
合同研修会の参加書を書かないと。
あ、瑠衣に……なんて言お……
またダメって言われちゃうのかな。
アパートの鍵を開けると
……いつも通り、テレビの音が聞こえて
夕飯の匂いがする………
この瞬間だけ
この瞬間だけ……好き。
でもまた元の世界に引き戻される。
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